第8章 ワインレッドscene2
「ふっ…はぁ…はぁ…」
潤が肩で息をしている。
シャワーの流れる音だけが、二人の間に横たわっている。
「翔…くん?」
見上げてくる潤をもっと汚してやりたくて。
強引に手を掴み、立ち上がらせる。
そのまま浴室の壁に押し付け、背を向けさせる。
「潤…自分でほぐして…?」
ぴったりと身体を密着させて、腰に手を回し、背後から囁きかける。
「…え?」
「俺、男に入れるの初めてだから、わからないんだよ」
「あ…」
「だから、自分でほぐして?」
「そんな…」
「ほら、俺、見てるから」
そういうと、浴槽の縁に腰掛ける。
「でも…翔くん…」
潤の声が涙を含んでも、無視する。
「やって」
わざと声を冷たくして突き放す。
「……うん」
素直に自分の後ろに手を回し、解し始める。
言いようのない背徳感が、俺の中を通り過ぎて行って。
「…翔くん…みないで…」
潤の懇願も、更にそれを煽って。
「よく見えるよ。潤の恥ずかしいところ…」
潤の劣情を煽る言葉をわざと選んで。
その反応を楽しんでいた。