第8章 ワインレッドscene2
「ほら…声だせよ…誰も聞いてないんだから」
「やっ…だ…」
「俺には散々、声を出させたくせに…それとも、気持よくないの?」
「や…だ…そんなこと…」
「じゃあ、やめちゃうよ?」
「やっ…あ…きもち、いい…」
蚊の鳴くような声で潤が言うと、身体の奥に、更に火が点いた。
もう止まらなかった。
「ごめん…翔くん…ごめん…」
喘ぎ声の合間に聞こえてくる、謝罪の言葉も、俺には快感を誘う音楽のように聞こえて。
潤のそれが、充分な熱を持ったところで、全部やめてやった。
「え…?」
頬を紅く染めた潤が、俺の目を覗きこんでくる。
「咥えろよ」
潤の顔が、プライドが傷つく顔が見たくて、わざと冷たく言う。
もう固く張り詰めた俺を、潤の手に握らせる。
「わかった…」
素直に潤は俺の前に跪き、俺を咥える。
その腔内の感触に鳥肌が立った。
「ああっ…潤っ…」
思わず出てしまった声に、潤が上目遣いで反応する。
嬉しそうに見上げるその顔を、また歪ませたくなって。
「潤…もっと奥まで…」
そういうと潤の頭をもって、前後に揺さぶる。
「ううっ…」
苦しそうに歪む顔に、ゾクリゾクリと快感が這い上がってくる。
揺さぶっている手を止められない。
さっき一回出したはずなのに、すぐに達しそうで。
そこからすぐに俺を引き出した。