第8章 ワインレッドscene2
「…翔く…息できな…」
潤がそう言っても離してやらない。
柔らかい唇の感触を存分に貪る。
合間に聞こえる、潤の荒い息の音が俺の神経を撫でていく。
ゾワリと背筋に黒い塊が乗る。
唇を離し、潤の背後にまわる。
あの時と同じように首筋に舌を這わせ、乳首を弄ぶ。
声を出さないように、震える潤の口を割らせたくて、手に力を入れる。
「あっ…」
その敏感な反応に満足して、更に手を潤の中心へ這わせる。
なにもかもあの時と同じように。
それに触れた瞬間、潤の身体がビクンと震えた。
「あっ…翔くん…」
俺を呼ぶ声に、背筋が震えた。
「…潤、気持ちいいの?」
わざと耳元で囁いてやる。
「ふっ…あ…」
潤の白い肌に鳥肌が立つ。
「女みたいにされてるのに、気持ちいいの?」
「や…そんなこと…」
「ほら、だって潤、こんなになってるよ?」
「…急にするから…」
「あの時だって、俺は急にこんなことされたんだよ?」
「…ごめ…あっ…」
謝ろうとしたその言葉をかき消すように、俺は潤を握っている手の動きを早めた。
「あっ…くっ…」
潤はその快感の波を、まだ受け入れない。