第7章 ベルフラワーscene1
キッチンで洗い物をしていたら、大野さんが入ってきて、冷蔵庫から水を取り出す。
「飲むよ?」
「うん、どうぞ」
今日は少ないからすぐ終わって、俺も冷蔵庫からアップルタイザーを取り出す。
たまに無性に飲みたくなって買ってくるものだ。
「あ、なにそれ。美味しそうじゃん」
「ただのアップルタイザーだよ?」
「一口ちょうだい」
そういうと、大野さんは目を閉じた。
「え?飲まないの?」
「だから、潤の口からちょうだい」
「もう…」
照れてしまった。
一口だけアップルタイザーを含むと、ゆっくりと大野さんへ口づけて流し込む。
「美味しい。潤」
そういうと、いきなり俺に噛み付くようなキスをしてきた。
「んーっ!」
びっくりして瓶を落としそうになる。
「瓶、落ちるっ…」
なんとか大野さんの唇から逃れて言ってみた。
そしたら、大野さんは自分の持っていた水のボトルと、俺の持ってた瓶を取り、そのまま後ろのシンクへ置いた。
置いたと思ったらまた再開で…
「ふっ…大野、さん…」
俺は立ったまま、シンクへ押し付けられキスから逃れられない。
じわりと、快感が登ってくる。
夕方一回イカされてるのに、俺の中が蠢く。
大野さんの息遣いがだんだん荒くなってくる。
あの綺麗な手が俺をぎゅっと抱きしめている。
その手がだんだん腰をたどり、俺の後ろの方へ回る。
その指が、俺の入り口にたどり着くと俺の身体がビクンと跳ね上がった。
「潤…相変わらず、敏感だね…」
「んっ…大野さんが…っ」
「ん?何?」
そういうと、俺の首筋を舐めあげる。
「あっ…大野さんが俺をこうしたっ…」
俺が半泣きになりながら言うと、ニヤリと笑って、俺の首筋に首を埋めた。
チリっとした痛みがきて、キスマークをつけられる。
「あっ…ダメっ…」
「俺だけのだから」
「え?」
「俺だけの潤だから。目印つけといた」
「ふえっ…大野さん…」
「そんな顔、誰にも見せるなよ?」
そんなこと言われても、こんなことするひと、大野さんしかいないよ?
「わかった…」
そう言うと、満足気に笑った。
子供のような顔で。