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カラフルⅠ【気象系BL小説】

第6章 アップル・グリーンscene1


その後、一回目の洗濯が終わって、二回目にとりかかる。

一回目のは、せっせと畳んでリビングのソファに積んでいく。

「あのね、洗濯物多かったから、もう一回まわしてるからね?」

「ええ?そんなことまで?」

「だってちゃんと洗えないじゃん。詰まり過ぎてると」

「そーだけどさ。適当でいいのに」

「これ、どこにしまえばいい?」

「ああ、しまうくらい自分でするから、そっちの部屋に入れといて」

「わかった」

畳んだものを隣の部屋に持っていく。

「もうすることない?」

「…んじゃ、風呂掃除」

「はーい」

「おいっ…」

「え?」

「マジでするの?」

「え?うん?」

「…もういいから。疲れてるんでしょ?」

「えー?大丈夫だよ?病人より元気だよ?」

「俺もう熱ないし。大丈夫だから」

「だめだって。熱出した後って、案外弱ってるんだよ?」

「だーっ、もういいから」

そういうとタオルケットを剥ぎとって、俺の方まで歩いてくる。

がしっと俺の肩を掴むと、ソファへ座らせる。

「すわっとけよ。もう…」

そういって、またタオルケットを掴んで横になる。

その顔は、ぶすっとしてる。


でもね、でもね。

びっくりしたの。

ニノがね、俺の膝にいるの。

俺、ニノに膝枕してんの。

びっくりしてるの。


ほんわかニノの熱が伝わってきてあったかい。

なんだかとても幸せな気分。

知らず知らず、ほっこりと笑顔になる。

「俺、汗くせーからあんまり近づくな」

そんなこと言ってるけど、こんな近くにいるんですよ?

ふふふと笑いが漏れる。

「笑ってんなよ…」

そういうと、またタオルケットを顔の半分まで引き上げる。

「じゃあ、そのまんま寝なよ。俺、ここにいるから」

そういって、ニノのおでこをつんつんした。

「ばか…」

でもそのまんま目を閉じたニノは、くぅくぅと寝息を立てて寝てしまった。

俺は洗濯機の終了のアラームが聞こえるまで、ニノの寝顔を眺めていた。

幸せ…かも…
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