第6章 アップル・グリーンscene1
~時は戻って撮影所の楽屋~
相葉が撮影にいくと、楽屋には沈黙が訪れた。
「松潤…ちょっとその冗談…」
櫻井が新聞の影から言う。
「え?だって、殴られんの相葉さんでしょ?」
「いや、それにしたって…ブラックすぎんだろ」
「え?なに?あれ、なんかやばいものなの?」
大野も会話に参加してくる。
「やばいってか、ジョークだよ。ジョーク」
「え?あれ、なんだったの?俺よくみえなかったぁ」
「ローション。媚薬入り」
「ええええ!?」
大野が飛び上がって驚く。
驚きすぎて、鼻をほじっている。
「それは…カズ殴るね…」
「でしょ?大野さんもそう思うでしょ?」
また櫻井が新聞の影から言う。
「俺、しらねーよ?松潤」
「そうだよぉ。やりすぎだよ」
「でもさ」
そういうと、松本はニヤリと笑う。
「もしも、だよ?相葉さんが殴られなかったらどうする?」
ゴクリ、と大野と櫻井はつばを飲み込む。
「それは…ヤルかヤラレルかってことですか?松本さん…」
櫻井が新聞を置いて、身を乗り出す。
「そうですよ。櫻井さん」
「じゃっ、じゃあ相葉ちゃんの片思いが成就するってこと!?」
大野も身を乗り出してくる。
また鼻をほじりだした。
「そういうことですよ!大野解説員!」
「問題は、だよ」
櫻井が真顔で言う。
「相葉くんが、自分の気持ちにまーーーーったくきづいてないってことだよ」
そう、相葉が二宮を好きなことは、相葉以外全員がわかっている。
もちろん二宮本人もわかっている。
三人は顔を見合わせると、深い溜息をついた。
「まあ、ニノが折れるとは思わないけどな…ノンケだし」
櫻井が冷静に面白がる。
「でも、案外うまくいくんじゃない?」
大野はいつだって安直である。
「いや、俺は血の雨が降ると思う」
松本は無責任である。
櫻井がニンマリと笑った。
「じゃあ、皆さん、賭けますか?」
松本と大野は目を見合わせた。
「のった!」
二人同時に叫んだ。