• テキストサイズ

カラフルⅠ【気象系BL小説】

第5章 退紅(あらそめ)scene1


どれくらいそうしていたか、いつの間にか、智くんの手は俺の頭に置かれたままになった。

「俺は、汚いから、翔くんには…ふさわしくないって、ずっと思ってた」

俺は必死に首を横に振る。

「でも、翔くんのこと、ずっと好きだった。だから、我慢できなかった。だからキスだけでいいって…」

顔を見上げると、涙が一筋流れていった。

「でも。翔くんも、俺のこと好きって思ってくれて、急に怖くなった。こんなに汚れているのに、翔くんに触れさせる俺が、もっと汚く思えた」

そういうと、一気に泣き顔になった。

「俺は、翔くんに触れる資格、ないっ…!」

「違う!そんなことない!」

「俺は、汚いから、翔くんが壊れていってもどうすることもできなかったっ…!傷ついてるのわかってて、見ないふりしたっ!怖かったっ…!」

「智く…」

智くんは起き上がると、手で顔を覆った。

「翔くんをこんな風にしたのは、俺のせいで…だから…だから。翔くんが望むなら、ここに閉じ込めて…?」


「そんなこと…できないよ…」






「…じゃあ、俺のこと、殺して…?」


/ 1124ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp