第5章 退紅(あらそめ)scene1
サイドテーブルから、また俺はものを取り出す。
今度はバイブだ。
「ねぇ、智くん。これ使ったことある?アナル用なんだよ?」
そういうと、ローションを取り出し少し塗りたくり、横になっている智くんの足を開かせた。
「俺、こういうの使ったことないんだよね」
そういうと、智くんの後ろの口にあてがいずぶりと入れる。
「ああああっ…しょ、くんっ」
そういうと、あっけなく智くんは果てた。
「もうイっちゃったの?そんなに気持ちよかった?」
智くんは答えないで、肩で荒い息をしながら目を瞑っていた。
俺は智くんの腹に出た白い液体を舐めとった。
「ああっふっ…だめ、そんなの舐めたらっ…」
腹を舐めるその刺激にも敏感に反応する。
俺は嬉しくなって、そのすべてを舐めとった。
「だめっ…翔くんは、そんなの舐めちゃだめだって…」
うわ言のように繰り返す。
「そんなのって、美味しいよ?智くんのせーし」
「やだぁ…っ」
そういうと、また智くんが勃ちあがる。
「ほんと、すげぇ。催淫剤って…」
「催淫剤…?そんなの入れたの?」
「そうだよ。乱れてる智がみたかったから」
「やだぁっ…翔くんはこんなことしちゃだめ…」
「なんで?俺、智のこと好きだからなんでもやるよ?」
俺は智くんの中に入っていたバイブを動かした。
「やあああっダメっ…ぬ、いてっ」
「だめ。もう一回イかないと抜いてあげない」
「やあっ…そんなっ…くっ…イケない」
「見せて。俺に。沢山イクとこ」
グイグイとバイブを動かす。
智くんの身体が波打つ。
快感で朦朧としてきた意識を、新しい快感で繋ぎ止める。
「でも智は俺のこと好きじゃないから、気持よくないか」
「しょ、く…」
「好きじゃないけど、セックスは大好きなんだね?」
「ちがっ…翔く、ん」
「智の大好きなセックス、沢山してあげる」
智くんの意識が飛ぶまで、俺は攻め続けた。
ドロドロとした快感がゆっくりと俺の中に積もった。