第30章 マロンscene2+green
◇マロンside
「俺は…愛してる…まーのこと…」
「え…?」
「ペットだなんて思ったこと無い…」
松にぃの目から涙がこぼれ落ちた。
長瀬くんが、ティッシュの箱を松にぃに差し出す。
太一くんが受け取って、松にぃの顔をゴシゴシ擦った。
「情けないツラしてんじゃねーよ、松岡…」
そう言いながらも自分も泣きそうになってて。
「一体なんでこうなったんだよ…」
そうつぶやくと、太一くんまで下を向いた。
普段おちゃらけてるけど、本当に繊細なひとだから、こういうシーンは太一くんに居てほしくなかった。
「わからないんだよ…酔って帰ったら、知らない女が隣で寝てたりするし…」
「松にぃ、それは…」
俺が噛み付こうとすると、達也くんがに目で制された。
「俺、浮気なんてしてないんだよ…その女には触ってない…」
「酔ってて覚えてないだけだろ?」
俺はそう言うしかなかった。
その事実で雅紀が傷ついたのは確かだから。
「だから、わからないんだ…途中で記憶なくなってるし…」
「無責任なんだよ…それが…」
和也が低い声を出した。
「大事にしてたら、そんなことになんないでしょうよ…」