第30章 マロンscene2+green
◇マロンside
全員で、松にぃの家に行った。
ドアをあけると、玄関のたたきに血痕が残ってて。
皆それをみたら、あれがここで起こったことなんだって実感したみたくて黙った。
リビングに入ると、ソファでにぃの両脇に和也と達也くんが座ってた。
「あ…どうだった?相葉さん」
和也の目の下にはクマが浮かんでた。
「ん…血はたくさんでたけど、傷自体はたいしたことないって。内臓にも傷ないし」
「そっか…よかった…」
「でも…栄養失調だって」
「え?」
「ちゃんと消化できてなかったんじゃないかって…」
「同じもの食べてたのに…」
また和也が歯噛みした。
「山口、松岡なんか話した?」
専務が向かいのソファに腰掛けて足を組みながら言った。
タバコを取り出して火をつける。
達也くんが、灰皿を差し出しながら、無言で首を振った。
「そう…松岡?聞こえる?」
松にぃは下を向いたまま反応しなかった。
「こんなことになったからには、アンタには処分受けてもらうから」
城島くんが進み出た。
「専務、でも…」
「アンタたちも。皆よ」
「はい…」
「全く…こんなことになるまでなんで放っといたのよ…ガキなんだから…」
「すいません…」