第30章 マロンscene2+green
◆green side
脇腹が焼けるように痛い。
目が覚めたら、尿道に痛みを感じた。
ここはどこだろう。
真っ暗の部屋。
布団をめくるとカテーテルが入ってた。
ああ、病院なんだ。
手を見ると点滴の痕。
起き上がろうとしたけど、だめだった。
まるで力が入らない。
徐々に思考がクリアになっていく。
にぃに刺された。
その事実だけが重く響いた。
あの時、潤とニノが来てくれたからおおごとにはなってないはずだけど…
でも事務所の一部にはオープンにせざるを得ないよな…
俺が働けないんだから。
部屋の隅で何かが動いたかと思うと、こちらに歩いてきた。
マネージャーだった。
病院にほぼ全員が来ていたこと。
今は、専務とチーフマネと一緒に松にぃの部屋に行ったこと。
そんなことを淡々とマネは話してくれた。
それと俺は栄養失調寸前だったって言われて。
ちょっと笑ってしまった。
食べていたのに…
なんでだろ。
マネがナースコールを押して、看護師を呼んだ。
看護師は俺に点滴を持ってきた。
それを打たれてるうちに、また俺は眠りに落ちていった。
マネは松にぃがどうしているかは教えてくれなかった。