第30章 マロンscene2+green
◇マロンside
「皆、そろってんのね」
夜中だというのに、専務はスーツを着ていた。
「ちょっと病院と話してくるから…待ってなさい」
そういうとヒールの音を響かせて、歩いて行った。
後ろから、俺達のチーフマネ二人がついていった。
「今、松にぃには二宮がついてます…」
「えっ!?」
「ニノひとりなの!?」
翔くんとリーダーが同時に声を上げた。
「達也くんがもう着いてるはずだよ…」
そう言ったら、リーダーが俺を抱きしめた。
「松潤…頑張ったね…」
翔くんも俺の肩に手をおいた。
「なんで言ってくれなかったんだよ…」
そう言って泣いた。
「ごめん…雅紀がもっと元気になったらって思って…」
二人とも、それだけでわかってくれて頷いた。
「みんな、相葉の顔みよう」
長瀬くんが先頭に立って歩き出した。
処置室に入ると、カーテンが引かれていたので、開けて中に入った。
雅紀は麻酔で眠らされていた。
切り裂かれたシャツが床に落ちていた。
血が、べっとりついていた。
皆、それを見て無言になった。
雅紀の顔は青白くて。
でも、微笑んでるように見えた。