第30章 マロンscene2+green
◇マロンside
雅紀が出て行ってから、慌てて俺らも後を追った。
和也はパジャマで、俺はTシャツにスエットだったけどかまわず駐車場まで行った。
車に乗り込むと、松にぃの家へ走りだした。
多分行った先はそこだろう。
和也は膝に肘をついてイライラしている。
「だめだ…にぃのこと煽り過ぎたから…今行ったらだめなのに…」
独り言なのか、俺に言っているのかわからないつぶやき。
「和也、落ち着けって…」
「だって雅紀が…」
「落ち着け!」
びくっと肩を震わせると和也は泣きそうな顔になった。
「ごめん。大きな声だして…」
「いや…こっちこそ…ごめん…」
信号が赤になったから、俺は和也をぎゅっと抱きしめた。
怖くて震えてた。
にぃのマンションについたら、雅紀の車が止まっていた。
やっぱり来てる。
にぃの部屋に向かった。
オートロックが開けられなくて、立ち往生した。
部屋を呼び出しても、応答がない。
住人が通ったあとを何とか入った。
部屋の前にきたら、ドアが少し開いているのが目に入った。
嫌な予感しかしなかった。