第30章 マロンscene2+green
◇マロンside
それからの俺達は、まるで最初から三人で居たかのように過ごした。
雅紀が俺のうちに来るようになって、三人で一緒に寝た。
俺が遅く帰ると、雅紀は和也を抱きしめて眠っていたりした。
和也の遅い日は、雅紀は俺の胸に凭れかかって眠った。
外にいるときはいつもの雅紀なんだけど、うちにいるときはあまり感情を表に出さなかった。
セックスの時以外は。
俺と和也はそれをどうすることもできなかった。
雅紀の眩しいほどの笑顔は、失われてしまった。
俺は日に日に松にぃに対する憎悪が募るのがわかった。
でも、俺にはなにもできない。
二人の問題だから。
それは和也も一緒で。
和也の気持ちをはっきり聞くこともなかった。
迷路に迷い込んだままの気分だけど、そこをはっきりさせるのはなんだか怖い気がした。
はっきりしているのは、俺達は雅紀が望んだ形にしかなれないこと。
雅紀が望むからこのままの形で続いていくしかないこと。
もし嫌だと言ったら、俺は和也を失いそうな気がした。
雅紀も。
多分、失うだろう。