第30章 マロンscene2+green
◆green side
寝室には、いやらしい音しか響いていない。
ニノと潤の出す唇の音。
その水音はいやらしく俺の耳に響く。
俺の後ろを穿つ音。
ネバネバしたその音は、ただただ淫らで。
ニノを咥える俺の口から出る音。
俺の唾液とニノの先走りが交じり合って、酷く淫猥な音を出す。
全てがいやらしい。
そして、退廃的で。
背徳感が堪らない。
誰に対して裏切ってる?
わからない。
裏切ったり、裏切られたりして擦り切れた心には、なにもわからない。
今は溺れたい。
この愛に溢れた二人から、愛を盗みたい。
浸りたい。
ニノが俺の口の中で、一回り大きくなった。
もうイってしまえ。
俺は口の動きを早めた。
「ああっ…雅紀っ…ダメッ…出ちゃう…」
出せよ。
幸せなお前から絞りとってやる。
その時、潤の腰の動きが激しくなった。
「…っ…くっ…」
ニノを咥えながら、衝撃に耐える。
一度意識を引き戻されると、そっちの快感に引きずられる。
俺はニノを口から出すと、ソレを握りしめた。
喘ぎが邪魔で咥えて居られなくなった。