第30章 マロンscene2+green
◆green side
バスルームを出ると、インターホンが鳴った。
潤がドアカメラのモニターの前で固まっていたので、後ろから見るとそこに居たのはニノだった。
俺は何も考えず、ドアを解錠した。
「ま、雅紀っ!」
「いいから…潤…」
別にどうしようという考えはなかった。
潤は立ちすくんだ。
俺は安心させるように潤にキスをした。
「心配しないで…」
玄関のチャイムが鳴った。
潤は怯えたような目で俺を見た。
「大丈夫だから…」
玄関を開けて、ニノを中に入れた。
ニノは玄関の靴をみて驚いた顔をした。
そして風呂あがりの俺の姿を見て混乱していた。
そのまま手を取った。
靴を脱がせると、手を握ったまま潤の待つリビングへ行った。
潤はさっきの姿勢のまま、立ちすくんでいた。
ニノはその姿を見て愕然とした。
そうだろうね。
だって二人で風呂あがりなんだもん。
潤のバスローブから見える胸には、無数のキスマーク。
何やってたかなんて、よっぽど鈍いやつじゃなきゃ、わかるよね。
「どうして…」
か細い声でニノが言う。
潤はその声をきいたら、ナイフで抉られたような顔をした。