第30章 マロンscene2+green
◇マロンside
雅紀が眠りに落ちる。
寝息を聞きながら、俺は頭の中がぐちゃぐちゃになってて。
このキスマークの言い訳をどうしようとか、これから雅紀とどうしていったらいいだろうとか。
和也と松にぃの顔が交互に浮かんできては消えた。
でも目の前の雅紀を見ると、全てが霧散していって。
恋でも愛でもないこの感情をどう説明したらいいかわからない。
ただ、こいつのこと手放したくない、そう思った。
俺にキスしながら震えるこいつを。
俺を咥えこんで淫らに乱れるこいつを。
俺にしかわからないかわいらしさを出すこいつを。
しばらくすると、俺もうとうとしてきた。
雅紀を抱きしめたまま、俺も眠りに落ちた。
目が覚めたら暗くなっていた。
雅紀はまだ眠っている。
額に手を当てると、熱は下がっていた。
雅紀を揺り起こして、風呂に入れた。
一緒に入って後ろを丁寧に洗った。
湯船に浸からせて、一足先に上がった。
バスローブを借りて羽織ると、リビングへ出た。
雅紀の部屋のチャイムが鳴った。
ドアカメラをみたら、そこに立っていたのは和也だった。