第30章 マロンscene2+green
◇マロンside
和也の声が胸に刺さった。
この世の終わりみたいな顔をしてた。
でも和也の手は、雅紀に繋がれてて。
なんで?
なんで手を繋いでるの?
雅紀の顔を見たら微笑んでた。
なんで?
なんで笑ってられるの?
雅紀がこちらを見た。
微笑んだまま和也を抱き寄せた。
放心状態のまま、和也は雅紀の胸に凭れかかった。
そのまま雅紀は和也の服を脱がせた。
されるがまま、和也は抵抗しない。
上着を全て脱がせると、雅紀の唇が、和也の肩を這って行く。
「や…やめろ雅紀…」
雅紀はちらっとこちらを見たがやめない。
手を和也の胸に這わせる。
和也の弱いところを触ると、和也の瞳が揺れた。
雅紀の唇が首筋を登って行くと、手が顎を持ち上げた。
そのまま和也の唇を、雅紀の唇が塞いだ。
信じられなかった。
想像したこともない光景が目の前にあった。
和也の口の中を雅紀の舌が蹂躙しているのがわかる。
血の気のひいた頬が、徐々に赤く染まっていく。
「んっ…んんっ…」
気持ちいい時の和也の声が聴こえる。
なんで、それを出させてるのが俺じゃない?