第30章 マロンscene2+green
◇マロンside
次の日、雅紀と二人で雑誌のグラビア撮影だった。
午前中に家を出て、車で現場に向かう。
今日のスタジオは渋谷だ。
渋滞を避けてスタジオに着くと、もう雅紀は着いていた。
今日はマネージャーの車できたようだ。
楽屋にとってある部屋にはいるとソファに腰掛けていた。
俺を見ると、ちょっと眠そうな目で微笑んできた。
「おはよ。眠いの?」
「うん…昨日遅かったから」
「あ、ニノ迷惑掛けなかった?」
「ん?全然大丈夫だったよ?」
「そ?ごめんね、なんか」
「なにが?謝んないでよ」
「それもそっか…」
まだ雅紀は眠そうで、俺は隣に座ると寄りかかってイイよって言ってみた。
「え…?いいの?」
「え?うん。寝なよ少しでも」
照れたように雅紀は笑った。
小首を傾げると、俺に向かってだけはにかむ。
「ありがと…潤」
そう言って俺の肩に凭れてきた。
昨日、和也から漂ってきた香水と同じ匂いがした。
あれ?
こんな香水付けてたっけ?雅紀…
雅紀のさらさらの髪が俺の頬を撫でる。
なんだか妙な気分になった。
香水のせいかな…