第30章 マロンscene2+green
◆green side
にぃの家から出て、3日が過ぎた。
その間、にぃから何度も連絡があったけど、出る気にならなかった。
メッセージも未読のまま。
達也くんから電話があって。
それには出たけど。
俺の生存確認だった。
今日も長い一人の夜が始まる。
俺はスマホを手に持っていた。
何度もメッセージを送りかけてやめた。
スマホをじっと眺める。
そこに出ている名前はにぃの名前じゃない。
メッセージを送ろうか、迷っている。
電話をしようか、迷っている。
じっと見ていたら、ばからしくなった。
呼び出してどうするんだろ。
大体、あっちだって仕事かもしれないのに。
スケジュールなんて把握してないから、わからない。
でもスマホを見てしまう。
ベッドの上で、じっとその画面をみていたら、通話ボタンを押してしまった。
「あっ…」
慌てて切った。
心臓がドキドキ言っていた。
スマホを持っているから良くないんだと、充電フォルダーにスマホを置こうとした。
その時。
電話の着信音が鳴った。