第30章 マロンscene2+green
◇マロン side
疲れ果てた和也は、俺の腕の中で安心しきったように眠る。
その寝顔は子供みたいで。
愛おしくなって頬にキスをする。
「潤…」
目を閉じたまま、和也が言った。
「なんだ…起きてたの?」
「今、起きた…」
ふふと和也が微笑んだ。
「なに?」
「潤…愛してる…」
「…俺も…愛してるよ…」
ぎゅっと抱きしめた。
最近、和也がどっかいってしまうんじゃないかって思う時がある。
別になにがあったわけじゃないんだけど。
不安に思っているわけでもなくて。
なんだか不思議な感じではある。
和也を捕まえておく自信は、たっぷりあるくせに。
どこかいくのがイヤって、どんだけ独占欲が凄いんだよ、と自分がいやになる。
和也が目を開けて、俺を見る。
余裕たっぷりに笑う。
あれからの和也は、俺に愛されてる自信がついたのか、こんな顔をして笑うようになった。
身体が、心が和也から離れていかない。
恥ずかしいんだけど、好きで好きで堪らない。
和也が泊まりの仕事で居ない夜、和也を思って一人でシたこともあるくらい。
俺は溺れている。