第29章 ラズベリーscene4
「よし!いい男だ」
そう言ってぽんと背中を叩かれた。
白いタキシードが我ながら眩しかった。
教会の中に連れていかれた。
既に翔ちゃんが待っていた。
シルバーのタキシードをきて、髪の毛は影山みたいになってた。
俺は相葉ちゃんがくれたブーケを手渡した。
「え?俺、女役?」
「奥さんなんだから、そうでしょ?」
少し笑いながら言うと、真っ赤になった。
「も、もう…しょうがないな…」
そう言って受け取ってくれた。
すっと横に立つ人が居た。
「と、とうちゃん!」
「えっ!?」
俺の父ちゃんが居た。
「やあ。翔。久し振りだね」
ハゲ頭を光らせて父ちゃんは笑ってる。
「なっ…なんでここにいるの!?」
「たまたま夏季休暇がこの時期でな…」
「はぁ…?」
「あそこにかあさんも居る」
教会の中のイスに母さんが居た。
姉ちゃんも居る。
翔ちゃんのお母さんも見えた。
隣には舞ちゃんと修くんも見えた。
「えええ!?ど、どうなってんの!?」
「潤くんが連絡くれて…結婚式やるからこいって…」
「えええ!?」
「お父さん、照れちゃったけどきちゃった…」
「父ちゃん…」