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カラフルⅠ【気象系BL小説】

第29章 ラズベリーscene4


もう全ての段取りはできていた。


教会の一室に入っていくと、松にぃがいた。


「え!?にぃ!?」


「バーカ、気づくのおせえんだよ…」


そう言って俺にタキシードを着せてくれた。


「…お前たち、頑張ったんだってな…」


「え…」


「翔のお父さん、結局だめだったんだって?」


「あ…うん…」


「ま、くじけるな。人生長いんだ」


「うん。わかってる」


「お?大野…強くなったな」


「そう…?」


「愛の力ってやつか?」


「そう…だと思う」


「そうかそうか。いいぞ。もっと強くなれ」


そう言って、タキシードを着せ終えた。


今度は髪の毛にジェルを塗って、髪型を整えてくれる。


「お前たち、ほんと偉いよ」


「え?」


「俺たちにはマネできない」


そう言って薄く笑った。


「お互いの親に、正面切ってぶつかるなんて、ばかみたいなこと俺とまーにはできなかったよ」


「ば、ばかみたいっていうなよ…」


「まーんとこはよかったんだけどな。ウチが…」


「え…」


「大反対でさ。取り付くシマもなしってこのことだ」


「松にぃ…」


「でもお前はできるとこまでやりきったんだろ…偉いな」


「でもだめだったし…」


「そんなことないって。翔、泣いてないだろ?」


「うん…」


「俺は、まーを泣かせっぱなしだよ…」

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