第29章 ラズベリーscene4
それからは宮城に向けて忙しい日々になった。
リハーサルも追い込みに入って、日程はギチギチで。
翔ちゃんも俺もクタクタになって帰るのに、毎日うちでシてた。
レコーディングは翔ちゃんは特別忙しくて、また深夜に帰ってくることが続いた。
これは俺も応援できるから、スタジオまで俺も日参して応援した。
でも俺、翔ちゃんほどラップが上手くないからあんまり役に立たなかった。
新聞で読んだ単語が出てくると嬉しかった。
翔ちゃんと一緒にリリックを考えている時間が楽しかった。
時々、二人で抜けだして空きスタジオでいちゃいちゃした。
本当はいけないんだけど、止められなくて…
コッソリ感も堪らなくて、翔ちゃんはすごく乱れた。
携帯用のパッケージのオイルは手放せなかった。
ドラムブースの中でいちゃつくこともあった。
完全防音だから、声も出し放題で。
ほんといけないことってなんであんな燃えるんだろう。
しかも俺たち、急になんかゼツリンっぽくなって…
なんかとまんなくて。
俺だけじゃなくて、翔ちゃんもなんかおかしくて。
付き合い始めたばっかりの高校生みたいになってた。