第29章 ラズベリーscene4
それからというもの。
俺たちの性欲は留まることを知らなくて…
コンサートのリハの合間とか、レコーディングの合間とか、盛ってしまって…
レギュラー番組の収録の時、例のトイレで何度もシた。
翔ちゃんは最初、あのトイレに行くのを嫌がった。
「どうして?」
「だって、2回目のとき…」
「ん?」
「ほら、俺たちが会えなくて…」
「ああ…」
「あの時、出るとき手前の個室、ドアが閉まってたんだよね…」
「えっ!?マジで…?」
「誰か居たんだと思う…」
それからは慎重になったんだけど、でも暫くするとやっぱり抗えなくなって。
ソコの個室でも結局シてしまって…
一応何度か確認したけど、異常はなかった。
そんなことをしてても、一向に体力だけは平気で。
夏バテもしなかったし。
貧血気味だった翔ちゃんは治っちゃうし。
もやもやを抱えてるはずなのに、俺たちは異様に元気だった。
お稲荷さんには毎朝二人でお参りした。
小さな境内を掃除までするようになった。
お水を供えて、時々お揚げさんを供えた。
俺は暇な日は例の石に座って、またお狐様をスケッチした。
森の中まで太陽は差し込んでこない。
冷房の中にいるよりも気持ちよかった。