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カラフルⅠ【気象系BL小説】

第29章 ラズベリーscene4


気がついたら、翔ちゃんの膝枕で寝てた。


「あっ…」


飛び起きたら、応接室じゃないところに居た。


「あ、あれ?」


「智くん…」


翔ちゃんが泣いた。


「翔ちゃん…」


俺は翔ちゃんを抱きしめた。


「ごめん…お父さん説得できなくて…」


「ううん…ごめんね。殴られちゃって…」


「いいよ…こんなの…」


倒れた時に頭を打ったみたくて、コブができてた。


「お医者さん、脳震盪だって言ってたから、心配しないで…」


「え?医者いったの?」


「ううん…往診してもらった…」


「あ、そ…」


びっくりした。


こんな程度で往診きてもらえるんだ…


「もう、帰ろ?智くん」


「いやでも…」


「もう、父さん話にならないから…」


あの後、お父さんは応接室を飛び出して、書斎にこもったまま出てこないそうだ。


「翔ちゃん…諦めたらだめだよ?」


「え?」


「また二人で来ようよ…」


「智くん…」


「できることはやっておこうよ」


どこからこんな力が湧いてくるんだろう。


俺はめげてなかった。


お父さんが怒るのは当然だもの。


大野の家が変なのであって。
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