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カラフルⅠ【気象系BL小説】

第29章 ラズベリーscene4


コーヒーにお菓子が付いていた。


あ、これ有名なやつだ。


「智くん、これ群馬のお菓子なんだよ」


緊張をほぐそうとしてくれてるのか、翔ちゃんが話しかけてくれる。


「グーテ・デ・ロワってお菓子なんだよ」


「へぇ…ただのラスクかと思ってた」


「私とお父さんのふるさとのお菓子なのよ。食べてね。大野くん」


「あ、ありがとうございます」


もそもそと食べた。


味がしなかった。


とりあえず、甘かった。


「美味しい?智くん」


「うん。美味しいよ、翔ちゃん」


「よかった…」


「うん…」


にっこりと翔ちゃんが俺に微笑むから、俺も微笑みかえした。


お母さんが俺たちを見つめていた。


「母さん?」


翔ちゃんが話しかける。


「ん?」


「どうしたの?」


「…ううん。本当なんだなって思って…」


「え?」


「本当に翔と大野くんは愛し合ってるんだなって思って」


「なっ!何言い出すんだよっ!」


翔ちゃんが真っ赤になった。


多分、俺も。


「だって母さん、二人が一緒にいるとこなんて見たこと無いんだもん…大野さんからは聞いてたけど」


「ま、まあそうだけど…」


耳まで真っ赤で収集がついてない。
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