• テキストサイズ

【ハイキュー!!】陽だまりの猫

第4章 6月



「エースの俺が来たからには、この試合すぐにひっくり返してやりますよ」

コートに入った瞬間飛び出す大胆不敵な発言に、すかさず鉄朗のチョップが飛ぶ。

「試合出して貰えたからって調子乗んなヘタクソ」

「守備もロクにできない奴はエースとは呼ばないんですぅー」

それはコートの中に渦巻いていた見えない焦りや不安が、スーっと取り払われていくような感じだった。


「それじゃ…取り返すか」

鉄朗の一言で皆の目がギラリと輝き出す。


(リエーフが入って空気が変わった…?)


「…ホント、頼もしい奴だよ」

ローテーションでベンチに戻っていた夜久さんが呟いた。




審判の笛の合図を受け、鉄朗のサーブから試合が再開される。

(いいコース!…でも返される)


194センチのブロックを恐れてか、相手のトスはリエーフの反対へ上がる。

「孤爪サボるなッ!」

コーチが叫ぶ。
スパイクはブロックに飛んだ研磨の手をすり抜け、待ってましたとばかりに海さんのレシーブ。

頭上に返ったボールを研磨は丁寧にトスを上げる。

山なりの放物線を描く、リエーフへのチャンスボール。


長い腕が鞭の様に唸りを上げる。


ドォン。

必死に伸ばされた敵ブロックを嘲笑うかのように、ボールはその上を掠り地面を揺らす。


そのスパイクに会場は驚きと賞賛で大いに沸いた。



/ 162ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp