第3章 5月
「へー、高3にもなって黒尾さんはオッパイでしか人を判断できないオッパイ星人なんスか?」
リエーフは挑発的に問う。
「何言ってやがる、ある意味真理だろォ?」
しかしそんな小学生の様な安い挑発に黒尾は乗らない。
「巨乳に勃たない異常者はテメーだろ、ロリコンリエーフ」
両者は一歩も引かず、取っ組み合う。
「ぐぬぬぬぬぬぬ!」
「はああああああ?」
そこで誰かがポツリと言った。
「ロリコン、リエーフ……ロリエーフ」
堪らず黒尾はぶひゃひゃひゃといつもの下品な笑いを響かす。山本は釣られて笑い出し、福永もニヤニヤ笑う。研磨は…先程の言い争いの最中にとっくにこの場を抜け出したようで、残るメンバーは必死に吹き出すのを堪えている様だった。
「ロリエーフ、悪くねぇな」
「ぶはっ、ロリ…ロリエーフって、!」
「ちょ、黒尾さん、猛虎さん変なあだ名止めて下さいって!つか誰が言ったんスか、さっきの?」
「ロリエーフってなんかエリエールみたいだな」
「い、犬岡まで…」
「おいお前ら!」
そんなカオスな空間にバタンと、音を立てて入ってきたのは夜久衛輔で。
走ってきたのか、息が少し上がっていた。
「…外まで声がダダ漏れだぞ。女バレと男バスがドン引きしてるから止めてくれ、頼む、マジで」