第3章 5月
―黒尾鉄朗と幼馴染み―
宮城合宿一日目の試合が終わった後、黒尾鉄朗は妹である鈴からのメールに気が付いた。
《リエーフとスパイク練習してるんだけど、どうやったら上手くなるかな?》
鈴は初めての合宿を楽しみにしていたから、コーチから居残りを言い渡された時はあからさまながっかり顔で見てるコッチが笑う程だった。
それと同時に約一名、モヒカン男が残念そうに項垂れていたので、俺はそのフサフサに制裁としてチョップを入れた。
(合宿所についたら電話してやるか…)
そんな事を考えると、自然と口元が綻んだ。