第3章 5月
その後もヒナタショウヨウはとどまることなく喋り続け、動き続けた。
そんな姿がやっぱり、毎日強引にバレーに誘いに来たいつかの誰かと重なって見えた。
話の流れでバレーが好きかと問われ、ふとさっきの考え事と鈴の笑顔が頭を過る。
「別に…何となくやってる…嫌いじゃないけど…」
俺はなんとなくと、そう答える。
これは別に嘘じゃない。
「疲れるのとかは…好きじゃない…けど…と…トモダチがやってるし…俺いないと多分困るし」
これも嘘じゃない。
クロがいなかったら、続けてないし。
俺がいないとクロは困るはず。
ただ、鈴の笑顔が見たいから。
もしそんな理由があったら、俺は今より少しだけバレーを好きになるかもしれない。
その後、すぐにクロがやって来て俺たちは別れた。
「またね、翔陽」
俺は軽く手を振る。
ゴミ捨て場の決戦、二日前の出来事だった。