第2章 4月
「…ハァ?何?なんなの?鈴、その銀髪くんは知り合いか何かか?」
(めんどくさい…)
「あ、俺、1年3組灰羽リエーフっス」
「テメェには聞いてねえんだよ!!」
非常に面倒な事に…体育館の前まで来た所で鉄朗に見つかってしまった。
どうやら体育館で部活の説明をし、集まった一年を今日の練習場所である区民体育館へ案内するところだったらしい。
灰羽くんに担がれた私を見るやいなや、引率を放り出し、半ギレで私たちを引き剥しに掛かった。主将なのに。
そして残された他の一年は見兼ねた海さんに連れられ、区民体育会に向かって行った。
「鈴、もしかして鈴が入るバレー部って…」
肯定の意でひとつ頷く。
信じられない、とでも言いたげな顔で灰羽くんは私を見る。表情豊かでいちいち面白い。
「なんだ、コイツ入部希望者じゃねぇのかよ」
鉄朗は相変わらずイライラしている様子だった。
灰羽くんを睨む目つきは鋭く、普通の一年生だったら逃げ出してしまうだろう。早く機嫌直してほしい。
「…送ってくれた、だけ」
そう、いろいろあって付いてきてくれたけど、彼は今からサッカー部に…
「俺も!俺もバレー部入ります!」
…もうこの人、訳わかんない。