第2章 4月
―灰羽リエーフと部活見学ー
部活見学の日の放課後、配られたのはA3サイズのプリント一枚だった。
今日と明日、プリントを頼りに新入生はそれぞれ好きな部活を見学し、来週一週間の仮入部を経て正式な入部となる。帰りのホームルームでそんな説明があった。
プリントには両面に部活の紹介と本日の活動場所が記されていて…つまり、詳しい話は自分で聞きにいけということみたい。
(インターハイ 東京都大会2回戦出場、か…)
バレー部の活動実績を指でなぞる。
去年、一年だった研磨は試合に出られなかった。
そのときセッターをやってた人より、絶対研磨の方が上手だったのに。
鉄朗は今年から監督が変わって、強くなるって言った。
私は鉄朗と研磨に勝って欲しい。ひとつも負けずに勝って欲しい。
二人は私のヒーローだから。負けるところを見るのは辛い。
無茶を言っているのは頭でわかってるけど、それが正直な気持ちだった。
そんな事を考えながら体育館へ歩いていると、どこかから言い争う声が聞こえてきた。