第2章 3学期の時間
『浅野くん、ごめん』
生徒会室に行けば既に机に向かって何やら作業をしている浅野くんが居た。
学秀「いや。構わない」
『で、何すんの?』
学秀「3年次のクラス名簿を作る」
『え?早くない?』
学秀「理事長の指示だ」
出たよ。“理事長”。
E組制度を作った張本人で、浅野くんのお父さん。
何度か授業をしてもらったことあるけど
すっごい分かりやすくて、好評だった。
『、、、何でこの子がB?』
学秀「成績が落ちたらしい」
『ふーん』
3年次のクラス分けは2年の総合的な成績で決まる。
浅野くん初めとする五英傑は変わることなくA組に残る。
A組でも、最後の最後で付いて来ることができなくなった子が何人かいる様で
B組生徒との入れ替わりも何人かいた。
私は、何の問題もなくAに残留組だ。
『Dはちょっと人数が減るのか』
学秀「D組最下層がE組に行くからな」
『あの校舎だけは嫌だわ』
自然豊かでいい場所だとは思うが
長い山道を歩くのは嫌だし
何より、“エンドのE”と言う肩書は一生ついて回る汚名と言っても良い。
『磯貝くんね、、アルバイトだっけ』
学秀「そうだ。校則違反だからな」
『中村さんもE組か。英語の成績は良いからもったいない』
E組に送られる生徒を仕分けながらフと気が付いたことが。
『業くんの名簿あった??』
学秀「赤羽か?あったんじゃないのか?」
『浅野くん、全部入力できてんの?』
浅野くんの入力したデータを見ると1人人数が合っていなかった。
ということで、確認のためにもう一回仕分けをしたんだけどやっぱり足りない。