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【おそ松さん】マフィア松でスパダリ長兄松に溺愛されるだけ

第4章 イタリア行き


私達は、自家用ジェット機でフランスに到着した。
飛行機の中は、ピリピリした空気の中でもくもくとご飯やお菓子を食べ続けていたから、正直当分何も食べたくない……。
だって、おそ松さんとカラ松さんは、こういう時だけ「食べろ」って口をそろえるんだもん。
別に、少食ってわけじゃないけど、緊迫した空気の中、食べてる様子をじーっと見られるのは凄く辛いよ。

「鈴ちゃん、これ持っときな」

外にでて早々、マツノさんはタバコケースをくれた。
空けてみると……、それはタバコケース型電気小銃。
わぁ、凄い使いやすそう……!

「うわぁ、またマニアックなもん持ってるねぇ」

「だろう? 珍しさで購入したんだが、なかなかいい物なんだよ」

「暗殺向きな銃ですね」

このタバコケース型銃は、ソビエト連邦のスパイだったニコライ・コークロフがドイツで反共産党の扇動を暗殺する時に使った銃として有名なもの。

打たれた人は、銃殺じゃなくて毒殺になるから、暗殺向き。

「弾は入ってるか?」

「もちろんだとも」

それは、もう確認済み。

使い方もばっちり確認したから、大丈夫。

問題は、何処に入れるか、だけど……。

ワンピースだから胸ポケットはないから、腰のポケットに入れとこう。

ちょっとだけ、取り出しにくい位置かも。

「若い衆を呼んだが……、万が一って時もある。カラ松は鈴ちゃん一緒に別れて行動してくれ」

「えぇ~、俺がそっち行きたいんだけど」

「ボスであるお前が居なくて、どうすんだ」

「ちぇーっ」

こういう時、ボスって大変だよね。

囮役のようなものだし……。

「カラ松、お前は後ろからこっそりつけてきてくれ」

「あぁ、任せてくれ」

こうして私達はおそ松さんとマツノさんと別れ、ペア行動になった。

どうやって移動するのかわかんないけど、カラ松さんには当てがあるみたいで、何処かへ向かってる。

私は、ただ大人しく彼について行けば、小さなガレージにバイクが用意されてた。

カラ松さんがフルフェイスのヘルメットと黒い皮のコートを手渡してくれた。

確かに、このワンピースじゃきついし、目立つか。

私は、受け取ると髪を束ねてコートの中に隠し、ヘルメットを装着すれば準備完了。

最後に、革グローブもつけたらバイクの後ろに乗った。
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