第16章 踏み出す勇気【チョロ松】
断る前に釘を刺されて、ぐうの音も出なくなる。…こればかりは仕方ないよね。
「うぅ…心得ました。えっと、駅についたらどこに行くの?」
「まずは映画館に行く予定なんだけど…絵菜ちゃん、映画って観る?」
「うん、たまに観に行くよ。ジャンル的には、そうだなぁ…SFものとか、アクションものとか、サイコホラーものとか…」
指折り数えながら説明する私に、チョロ松くんは意外そうな表情を浮かべる。
「へぇ、女の子って恋愛ものとかファンタジーものが好きそうなイメージだったけど、君は違うんだね。…あ!け、決して君が女の子らしくないって言いたいわけじゃないよ!」
「ふふ、分かってる」
そんなに必死に否定しなくてもいいのに。チョロ松くんらしいけどね。
「今の時期って、どんな映画やってるのかな?あまりよく知らないの」
「あ、そこは心配しないで。事前に調べてあるから」
チョロ松くんはズボンのポケットからメモ用紙を取り出して、私に見せてくれた。す、すごい、近くの上映館ごとに、時間と映画名が一覧で書かれてる…!
「僕スマホ持ってないから、どうしても手段がアナログになっちゃうんだけど、当日に調べるよりはいいかと思って。っていっても、新聞を丸写ししただけなんだけどね」
「ううん、すごいよチョロ松くん!この方が見やすいし分かりやすいもん」
「そ、そうかな?とりあえず見たい映画から決めよう。どれも上映時間は夕方までには必ずあるからね」
「うん!」