第14章 揺れる心【カラ松】
私たちはひとまず手頃なファミレスで昼食を済ませ、松野家へと向かった。
カラ松くんに続いて、私も玄関に入る。すると、戸が開いた音を聞き付けて十四松くんが居間から顔を覗かせた。隣には一松くんもいる。
「あれ?カラ松兄さん、もう帰ってきたのー?お帰りなさーい!」
「…なんで絵菜までいんの」
「あ、ごめんねお邪魔しちゃって。実は…」
二人に説明しようと前に出ると、カラ松くんがさらに前に出て視界を塞ぐ。
「絵菜。すまないが外で待っていてくれないか?すぐ戻る」
「え?あ、うん…」
返事をすると、カラ松くんは足早に階段を上っていってしまった。
「……何あれ」
「カラ松兄さん、どうしたんだろう?」
「あ、あはは…じゃあ私、外に出てるね。ばいばい、十四松くん、一松くん」
不審がる二人に軽く手を振り、戸を開けて外に出る。…さっきのカラ松くん、口調は穏やかだったけど、どこか有無を言わせない厳しさが感じられた。…もしかして、今朝のこと本当はすごく怒ってるのかな?
それとも、知らず知らずのうちに機嫌を損ねるようなことしちゃってたのかな…もしそうだとしたら謝らないと。でもさっきのカラ松くん、怒ってるというよりはなんだかイライラしていたような。
「絵菜、待たせたな」
家から出てきたカラ松くんは、大きなギターケースを背負っていた。
「わぁ、けっこう大きいんだね!重くないの?」
「これくらいなんてことはないさ。それで今からまた少し歩くんだが…」
「うん、行こう!」