第14章 揺れる心【カラ松】
その後、ショッピングモールを一通り見て回って、気が付けば午後2時を回っていた。
そういえば、まだお昼食べてなかったな。昨日は疲れちゃってスーパーに行けなかったから冷蔵庫に何もなくて、お弁当作れなかったんだよね…。
いくら貧しい私といえどお昼代くらいは出せるし、まずはレストランにでも…
そう思いカラ松くんに声をかけようとすると、彼は不意に店の前で立ち止まり、ショーウインドウの中を見つめる。
「…ギター?」
どうやら楽器を取り扱うショップらしい。ショーウインドウの中には高価そうなギターやベースがディスプレイされていた。
「カラ松くん、ギターに興味があるの?」
「…!あ、いや、俺は、その…」
急に慌て出すカラ松くん。…怪しい。
「ふふ、興味がないのに立ち止まったりしないでしょ?お店の中、入ってみる?」
そのまま彼の手を引いて、入り口に向かおうとする。けれどカラ松くんはかぶりを振った。
「いや、いいんだ絵菜!た、確かに少し気にはなったが、ギターならもう持っているからな…」
「え!持ってるの?」
「あ、ああ」
「弾けるんだっ?」
「ま、まぁな…最近はあまりいじっていないが」
「カラ松くんのギター、聴いてみたい!よかったら聴かせてくれないかな?」
「え、えぇっ!?」
「お願いっ!」
両手を合わせて頼み込むと、カラ松くんは少し悩んでから、
「…わ、分かった。他でもない君のためなら、断る理由もないしな。ただ一度家に戻らなければならないが、それでも構わないか?」
「!うん!ありがとう、カラ松くん!」
ギターかぁ、すごく楽しみ!