第14章 揺れる心【カラ松】
「!!」
そのまま彼に寄り添う形になる。…わ、自分で言っておいてなんだけど、こんなに体が密着するとやっぱり恥ずかしいな…
カラ松くんはどうだろう?と、ちらっと彼の様子を窺う。
今にも蒸気が吹き出そうなほどに顔が真っ赤だ。それを見て、私も徐々に頬が熱を帯びていく。
…お互い歩き出すこともできず、その場で沈黙。そして、
「……やっぱり、手を繋がないか?」
「…そ、そうだね…」
いくらデートとはいえ、どうやら恋人同士でもない私たちには刺激が強すぎたらしい。腕を組むのを止めて、手を繋ぐことにした。
「…カラ松くん、手大きいんだね」
「ん、そうか?」
「おそ松くんと十四松くんとも繋いだけど、一番大きいと思う。6つ子でも差異があるんだね」
そこまで話した時、きゅっと握られている彼の手に力が入る。返事もしてくれなくて、私は「カラ松くん?」と彼の名を呼んだ。
「…あ、ああ、なんだ?」
「えっと…どうかしたのかなって。考え事?」
「いや、なんでもない。それより絵菜、あの店に入らないか?」
彼は前方にある服屋を指差す。なんだか誤魔化されたような気がするけれど、私は「いいよ」と承諾して一緒にお店に向かった。
よく考えたら私、こっちに来てから服なんて全く興味を持ってなかったな。買い物といえば近所のスーパーかコンビニで食材や最低限の生活用品を買うだけだったし。
一応これでも女だし、おしゃれしてみたい願望は少なからずあるけれど…まずは仕事が優先だよね。お金稼いで、家の事情も片付いたらだな、うん。
と、思っていたのだけれど。
「か、かわいい…!」
いざ目の前にすると、その魅力に心を奪われてしまうわけで。
分かってはいたけど、やっぱり都会の服屋ってレベルが全然違う!種類は豊富だし、デザインも凝ってるし、トレンドもばっちり押さえてあるし!…でもお値段が…