第11章 最後は
それから音沙汰はない。
つっても、まだ3日しか経ってねーけど。
まあ、もともとそんなマメに連絡取ったりはしてなかったしね。いつも急に『来月遊びに行くから接待して!いつ暇?』っていう身勝手なメールがきて、俺が慌ててスケジュール調整して…みたいな(笑)。
「あ~…長ぇ―…」
まだバーゲンは終わったばかり。再会は早くても半年は先。
だけど
離しちゃった。かえしちゃった、自然界に。
そんな、気分…。
松「は~ぁ…。もう戻ってこないかもな…」
二「でけー独り言だな!…て、何が?」
松「飛んでっちゃったな~って…。もう薄汚れた都会には来ないかもって…ね…」
相「何ソレ?マツジュン、何か飼ってたっけ。インコとか??」
松「…」
飼われてたのは、むしろ俺のほう。見えない過去の鎖を解き放ち、自由になった今も…やっぱり、囚われてる。奔放で放任な主人を、一方的に、想ってる。
まだ俺、おまえの鳥かごの中にいるんだな…。
二「さってと。行きますか!」
相「なんだっけ、曲」
二「“One Love”でしょ。ね、道明寺さん」
松「…絶妙なタイミング…」
二「はい?大丈夫?マジで」
ねえ、観てる?璃子。
――百年先も愛を誓うよ
君は僕の全てさ――
今はこの曲、おまえだけのために唄うよ。
なあ、俺さ
役でだったり、プライベートだったり、数々の唇と重ねてきたけど
俺、最初と最後はおまえでいいよ
おまえがいい
だから早く、打ち止めにきて
璃子
ラストキスもおまえに捧げるから
2011/8/22