第9章 第8章
「……わかってる」
『もし、光ちゃんの身になにかあったら、産まれてきた子はどうなるの……!?』
「もしもの時は、お母さんにお願いしてる。大輝には迷惑かけないよ、大丈夫」
『そういう話じゃないでしょー!?』
あれ、違うの?
『そうなったら、子供は実の母親のぬくもりも、父親のぬくもりも知らずに育つんだよ!?』
「……それは……」
『それに、光ちゃんが無事だったとしてもだよ!?将来、父親がいないことで悲しむかもしれないじゃない!!』
さすが、さつき。
痛いところを……
「私が、大輝の分も愛するって決めたから」
『でも……!!』
「もう、話すことはないよね?切るから」
『ちょっと、光ちゃん!?』