第6章 第5章
こたえるように、私は赤司君を見て微笑んだ。
「……わかったのだよ」
ため息をつきつつ、立ち上がる緑間君。
「2人とも、ありがとう」
「……そうだ、1つだけ言っておこう」
思い出したというように、振り返った赤司君。
「君の妊娠を気づいているのは、俺たちだけじゃない」
「そうなのか!?」
「知ってるよ。たぶん、今吉先輩は気づいてるし」
「そうだが、今吉さんは自分で気づいたわけじゃない」
……え?
「ある人に、頼まれたんだよ。“ 確かめてきてくれないか ” とね」
「……なぜ、赤司が知っているのだよ」
「それは企業秘密だな」
2人の会話を聞きながら、私の頭は混乱していた。