第6章 第5章
「「……」」
「だから、青峰君には嘘をついて別れてもらったの」
チラッと2人の顔を見ると、唖然としていた。
「藤村さんは、それでいいのかい?」
「うん」
「……産まれた子供が、父親がいないことで悲しむとは思わないのか?」
「…………それだけは、申し訳ないって思う。でも、私が父親の分も愛情をそそぐから」
私は2人の目をみたまま、しっかりと答えた。
……大輝に、迷惑をかけないためにはこれが最善の方法だと思うから。
「……緑間、帰るぞ」
「赤司……?」
「彼女はもう、決めている。俺たちが何かを言ったところで決断はもう……変わらない」
“ そうだろう? ” という目で見てくる赤司君。