第2章 第1章
「……そう。父親は?」
「…………いるよ。別れたけど」
ピクッ
“別れた”と言った後、お母さんの眉が少し動いた。
……いけるかな。
「とりあえず、今はいいわ」
ホッ……
とりあえず、第一関門突破!
「別れたってことは、相手は知らないのね?」
「うん。今後、伝えるつもりもないよ」
“今後”
私がそう言った瞬間、お母さんが驚いた顔をした。
「……光、アンタまさかーーーーー」
「うん。産みたいと思ってる」
ーーーーーそう。
私は考えて、考えて、考えて……悩んだ末に“産む”決意をした。
この子を……
愛する青峰大輝との子を抱きしめたいと、心から思ったから……