第3章 監禁
夕方。
やっと学校が終わった。
昨日あれから徹夜しちゃって、眠くて仕方ない。
門まで行くと、すみに友達のゆきが立っていた。
ゆきは、高校からの親友で、一緒に専門学校に通っている。
一松くんのことも相談していた。
「〜、帰りにどっか食べに行こうよー!」
「ごめん!今日は一松くんと予定があってダメなの!」
「えっ!もしかして、付き合い始めたの!?」
「うん。そうだよ?」
「えー聞いてないよー」
そういえば、ゆきには言ってなかったな。
まぁ今言えたからいいか。
「それなら仕方ないね、楽しんできてね!」
「うん、ありがとう!」
ゆきは、本当に優しい子だ。
私が勉強で悩んでいた時も、一松くんの時も、いつもの一緒に悩んでくれたり、そばにいてくれた。
大切な親友だ。
今日は外食できなかったけど、また埋め合わせしよう。
そこから電車に乗り、三駅目でおりる。
駅から家まで10分で、すぐに着く。
もうすぐ7時だし、一松くん来てるかも。
予想は的中。
家の前に一松くんがいた。
待たせてたのかな。
「ごめん、待った?」
「ううん。大丈夫」
「そっか。まぁ入って」
そういえば、一松くんを家に呼んだのは初めてかもしれない。
小さい頃よく遊んでいたけど、いつも一松くんの家に行ってたな。
「おばさんは?」
「今日は仕事で遅いの。ご飯食べるでしょ?」
「……食べる」
リビングに入り、荷物などをソファーに置く。
一松くんは、キョロキョロと部屋を見渡している。
初めて来たもんね。
そういえば、今日ってなんの用事だったんだろ。
会えればいいかって思ってて、考えてなかったな。
「今日、なんで会いに来たの?」
「んー。に会いたかったから?」
一松くんはそう言うと、、テーブルに座った。
今の言葉、私に会いたかったって……。
私に会いたいからって、こんな遅い時間に来てくれたんだ。
私、愛されてるんだなって感じる。
「って、料理できんの?」
「失礼な!それぐらいできるよ!」
お母さんが仕事で遅い時は、だいたい私が作っているから、料理は得意。
というより、料理以外取り柄がないかもしれない。