第2章 一松くんとのデート
「それって、どういう意味?」
「えっこれは……」
つい出ちゃった言葉。
聞かれてしまった本音。
どうしよう、なんて言い訳すれば……
頭がうまく回らない。
「これはその……」
「それって、オレのこと好きってこと?」
好き………。
うん。好きだよ。
だけど、認めるなんてできないよ。
だって、きっと振られてしまう。
でも、振られるならもう言ってしまった方がいいのかな。
楽になれるのかもしれない。
私は、震える体を抑えながらゆっくり口を開いた。
「うん………。私は一松くんのこと好き……だよ。」
「……そう。」
あぁもうだめだ。
きっとこの関係も崩れちゃう。
このままでよかったのに。
友達のままで。
それならまだそばに………
「言ってくれるの待ってた」
えっ?
私は、下に向けていた頭を上げ、一松くんを見る。
それはどういう……
一松くんは、少しめんどくさそうに頭をかいた。
「はぁ……。だから、オレもお前のことが好きって意味」
それって……
それって……
「両思いってことですか……?」
「当たり前でしょ、馬鹿なの」
なにそれ、それならもっと早く好きって言ってればよかったな。
一松くんは私のことが好きで、私も好き……
嬉しすぎるな。
幸せだ。
いつの間にか私は泣いていた。
止まらない涙。
嬉しすぎて止まらない。
そんな私を一松くんは、優しく抱きしめてくれた。
優しくて暖かくて。
とても幸せで。
四年間抱いていた思いがやっと伝わった。
本当の本当に幸せだ……!
だけど、これからあんなことになるなんて、今の私は知りもしない。