第4章 新しい生活
一松視点
オレは、一度家に帰った。
昨日も帰ってないし、流石に怪しまれる。
かりてるマンションは家から20分くらいで結構近いが、まぁばれないだろ。
家に着き、玄関を開けると、居間が騒がしかった。
おそ松兄さんがふざけてるんだろうな。
今のドアを開けると、みんなオレの方を向き静かになる。
静かになるのやめてほしい。
「一松昨日どこいってんだよ?帰ってこなかったから心配したんだよ?」
そういえば、⚪️⚪️のとこに行くって言ってなかったな。
オレは「チビ太んとこで酒飲み過ぎた」と適当な言い訳をついた。
チョロ松兄さんは気をつけと言っただけで、あとは何も言わなかった。
「じゃ、一松くん。本題に入ろうか!」
「本題って?」
「とぼけないでよ、⚪️⚪️ちゃんのことだよ!
一松兄さんったら、あれから何も話してくれないんだもん」
⚪️⚪️のことか。
付き合ってるとは言うか。
この際、働いてることも言うか?
バレるのも時間の問題だし……。
そうすれば、オレが帰ってこなくても怪しまれずに済む。
後々厄介だしね。
「告白された」
「えっまじで!?それで!」
みんな興味津々で、目がキラキラしてる。
そんなに興味あるのか、オレと⚪️⚪️のこと。
「オーケーした……」
「おおー!!!!やったな一松!!」
「よかったな、brother!!」
「いろいろと安心したよ」
「お祝いだね、一松兄さん!!!!!」
「もー、ハラハラしたよ!」
みんなわいわい騒いで、オレたちよことを喜んでる。
そんなに喜ばれたら帰って恥ずかしい。
「あれー、一松顔赤いじゃん」
おそ松兄さんは面白そうにそう言った。
いつの間に顔赤くなってたんだ。
照れてるのかオレ。
「大切にしてやれよ」
そう言うと、おそ松兄さんはオレの頭を撫でた。
こういう時だけ長男らしいよね。
だけどね、兄さん。
オレ約束破ることになるよ。
だって、⚪️⚪️のこと幸せにしてあげることなんてできないんだ。
今だって、⚪️⚪️を束縛してる。
きっと怖がっている。
嫌われたかもしれない。
不安なら出してやればいいのに、そんなことはしたくないって、自分勝手な考えばかりしてる。
ごめん兄さん。
ごめん⚪️⚪️。