第3章 監禁
……ン………カチャン……カチャン……
なんと音だろこれ。
あんまり聞こえない。
それに視界がぼやけてる。
うまく見えないけど、あんまり見ない光景だ。
確か私は、一松くんと家でご飯を食べて、テレビを見ていたはず。
だんだん視界が良くなっていく。
ここは………リビングじゃない……?
そこは見たことのない部屋だった。
部屋の電気はついておらず、真っ暗で周りがよく見えない。
この感触は、ベット?
私は体を起こし、ベットから出ようとした。
その瞬間、手にチクっとした痛みが走った。
これは……鎖!?
私の両手には鉄の輪がはめられていて、輪についた鎖はベットの柵に付けられていた。
「なにこれ!?」
私は鎖を思いっきり引っ張る。
だけど鎖はビクともせず、ただ痛みが走るだけだった。
すると、奥から人の足音が聞こえた。
私をさらった犯人?
「あー。だめだよ、そんなに引っ張ったら」
部屋のドアが開き、そこから聞いたことのある声がした。
この声って、
「いち、まつくん?」
「うん。せーかい」
ゆっくり足音が近づき、私の目の前に現れたのは、ニヤッと笑っている一松くんだった。
「い、一松くん、助けて!これ外してよ!!」
「そうしてあげたいけど、ダメだよ。
そんなことしたら、逃げちゃうでしょ?」
「ま、まさか私のことをここに連れてきたのって……」
「うん、オレだよ」
一松くんは少し笑い、そう答えた。
まさか、一松くんが?
そんなことするはずない。
私はその答えに納得できずに、違う理由があるんだと考える。
自分が都合のいい理由を。
一松くんは優し人だから、私を鎖で繋いだりしない。
きっと何かの冗談なんだ、と。
ただそれを頭に繰り返す。
「信じてないみたいだけど、やったのオレだよ?」
「う、嘘だよ。嘘だよね?何かの冗談なんでしょ?」
「ううん。オレはおまえを監禁したくて誘拐した」
私を監禁……?
本当に一松くんがやったのはわかった。
だけど、なんで私を監禁?
する理由がわからない。
「なんで私をここに……?」
「はぁ?そんなの決まってるじゃん。
を愛しているから」