第3章 監禁
「私を愛してる……?だからって監禁なんて……」
「そうだね。愛してるから監禁なんておかしいよね。
だけど、そうしないとはオレのそばからいなくなるでしょ?」
私が一松くんのそばからいなくなる…?
いなくならないよ。
だって、私あなたのことを愛してるのに。
「オレ、中学生の時からが好きだった」
中学生の頃から私を……?
最近からじゃなかったんだ。
「だけど、オレはおまえに好きだと言わなかった。
だって、拒否られる思ったから。
それが怖かった。
だからそばで見てるだけでよかったのに。
なのに……なのに……」
一松くんの声は次第に震え、怒りも混じっていった。
「お前のことが好きだっていうやつが現れ始めた。
それが嫌で嫌で仕方なかった。
オレのなのにって。
嫉妬しまくった。嫉妬して嫉妬して……
お前を独り占めしたいって思った。
でも、この関係が崩れるのも嫌だった」
「だけど、昨日お前から告白された。
すごく嬉しかった。幸せだった。
だけど、両思いだってわかったら、もっと独占欲が湧いてさ……。
だから監禁しようって思った。
お前のことを愛しているから」
一松くんの愛は歪んでいる、そう感じた。
純粋な好きではなく、闇。
一松くんにとってはこれが愛なんだろう。
だけど、私はそれが怖かった。
「あっ、いいもの見せてあげる」
一松くんはパッと笑顔になり、さっきの怒りに満ちた表情がなくなった。
横からゴソゴソと音がすると思えば、次は部屋の電気がつく。
さっきまで暗かったせいか目がチカチカする。
部屋はシンプルで、目立ったものは何もなかった。
そして一松くんの手には大量の紙のようなものがあった。
近くで見ると、それは写真だった。
一松くんは、写真をベットにばらまくように置いた。
私は、その一枚を手に取る。
「な、なにこれ……」
私は、そこに映るものに驚いた。
というより、怖かった。
他の写真を手に取る。
これって全部私………?
「かわいいでしょ。オレの宝物。
高校の時から集めてるんだ。」
その写真は修学旅行や、みんなと遊んだ時の写真もあれば、盗撮したと思われるものまであった。
はっきり言って気持ち悪い。
全部破り捨てたい。
「あぁ、捨てちゃダメだよ?まぁ一応チップに保存してあるんだけどね」
チップまであるんだ。
どれだけ念入りなのよ。