第2章 『Trade 9→2 』菅原
が俺の名前を呟いた瞬間。
胸の奥が、じんわりと温かくなった。
俺は、とうとうの先輩じゃなくなった。
隣を歩いて、時々頭を撫でて。
が困った時に手を差し伸べて。
でもそれ以上は絶対に許されなかった、そんな日々は、もう終わったんだ。
ネクタイを外すのももどかしく、俺はそのままに激しく口付けた。
好きだよ。
怖いくらい、好きだ。
これから、俺の全部でそれを伝えるから。
の手に指を絡ませながら夢中で唇を奪う。
もう、絶対離さない。
指を絡めた手をぎゅっと握って、俺はそう心の中で誓った。
俺の腕の中で甘い声をあげるを見て、
この子を一生守っていこう。
それができるのは俺しかいない。
改めてそう思った。